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アジアの移植事情
マレーシアでは、75年にクアラルンプール病院で初めての腎臓移植が成功しました。その後も近親者からの臓器提供による生体腎移植を中心に、腎移植が700例以上行われてきましたが、肝臓移植は95年、心臓移植は97年と、最近始められたばかりです。経験あるいは施設は整っていますが、死後の臓器提供は少なく、98年末までに43名の提供しかありませんでした。しかもそのうちの2人は外国人でした。
腎移植に関しては、毎年、およそ2000人の新しい患者が腎不全で待機リストに登録されています。移植待機中は透析治療を行いますが、費用と労働を維持することが難しく、大きな問題となっています。また、腎臓移植のための平均待機期間は16年にもなります。
マレーシア透析センターの発表(99年)によると、クアラルンプール病院に通院する8259人の患者のうち3442人は透析を受け、そのうち2520人は死体間移植の待機リストに登録されています。国全体としては、膨大な数にのぼります。
マレーシアにおける主な宗教では、究極の思いやりと博愛の行ないとして臓器移植を認めていますが、一般の人達の移植に関する誤った認識や文化的な考え方、否定的な考えが臓器提供数の少なさや待機登録者の少ない原因となっています。
しかし、マレーシアは国を挙げて臓器移植を推進し始めています。マレーシア泌尿器科学会がマレーシア臓器配分機構 (MOSS)を設立し、健康省が移植調整委員会(NTCC)と14の組織・臓器提供チームを作ってサポート体制に入り、その大臣自身が支援運動のメンバーにもなっています。また、臓器移植を受けた患者と家族、そして理解のある関係者が、透析患者と移植を受けた患者の生活の質を向上させるためにグリーンリボン支援団体を設立しています。ゆっくりではありますが確実に「いのちの贈り物」の認識が広まり、少しずつ死後の臓器提供が増えてきています。
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